料理人が自分のレストランを持つまでにやった方がいいこと5つ
おはようございます!
どうもとしろろです。
俺は今年32歳の年ですが27歳から30歳までの3年ちょっとの間
自分のお店をオープンし、オーナーシェフとして働いていました。
早い段階から独立願望があって
自分でやるなら20代のうちに。っていう強い気持ちを持って働いていました。
20歳の時は25歳でやるぞって決めてたんですけど
結局27歳になってしまいましたね。
東京だとその年代でお店を持っている人は多いかもしれないですけど
俺は地元の田舎にオープンしたので結構珍しくて、いろんな人にお世話になって約3年間経営させていただきました。
料理人って一生雇われでいくには体力的に結構キツくて
いずれ本社勤務(いわゆる内勤)に移動するか
自分でお店を持つか
の2つに分かれてくると思います。
今の職場では内勤的なこともやってますがまだそっちの方はペーペーなので
今回はオーナーシェフ経験を活かして、俺が自分の店を出す前にやっておいたほうがいいこと5選を語っていきます!
ちなみに俺の店はフレンチだったのでフレンチまたはイタリアン、ダイニング系などの洋食業態向けです。
1.キッチンとホール 両方の業務
いくら料理が得意でもそれだけではお店は回せません。
料理人の中にはホール経験のない人って結構多くて
長い飲食経験でなんとなくやってしまうことが多いんですね。
雇われの時は周りがフォローしてくれてたりするので、自分ができてないことにも気づけないんです。
オーナーシェフになると、ホールのバイトや社員の教育もしないといけないし
お客さんに呼ばれて席までいくこともあります。
もし今独立願望があってホール・接客経験がない人は、絶対やっておいてください。
ソムリエ資格を取れまでとは言いませんが
・ある程度のワインの知識とサーブ力
・ピークタイムでもホールを回せるマネジメント力
・バイトや社員にホール業務を教えた経験
・バーで簡単なカクテルやドリンクを作る経験
などは欲しいところ。
俺は料理と同じくらいホール・接客も力を入れて学んできました。
それは自分でお店を持つと絶対役に立つことです。
対人コミュニケーションは「慣れ」の部分が大きいので
実際にホールに立ってやってみましょう!
2.メニュー開発経験
個人でレストランをオープンする場合、大手の飲食店と違って
自分でメニューを考えないといけません。
料理長経験のある人はそんなの簡単だし散々やってきたから大丈夫だよ!って思うでしょうけど実際3年やってみるとそんな簡単ではないことに気づきます。
まず個人店の場合ランチやディナーのおすすめメニューをある程度早い頻度で更新しないといけません。
チェーン店と違い、個人店での常連さんが持つ力は計り知れなく、先週もこれ食べてたな・・・と思う状況が続いてきます。
パレートの法則で「2割のお客様が8割の売上を作る」とも言われていますので、いかに常連さんに超常連さんになってもらうかが、安定した売上を確保することに繋がるのです!
さらに仲良くなったらなったで
「あれできる?」とか
「今日あれないの?」とか
「もっとあっさりしたやつで」とか
「完全おすすめで」
なんて日が続くようになります。
まともな感覚の持ち主なら、毎回違う品を出さないと離れてしまうかもしれないとわかるでしょう。
なのでメニューを作る力は養っておくことに越したことはありません。
そのためには日々のインプットとアウトプットを繰り返し
自分の実力を高める必要があります。
3.経営者目線でのマーケティングやPRの勉強
今までは上司や経営者の手のひらの上で踊っていたにすぎません。
いかにあなたが美味しい料理を作っても
そのお店を作ったのは別の誰かだし
接客をしているのは別の誰か
自分ができない所の掃除やお客さんへの配慮
もっと言うと集客や販促・PR・給与振込・採用・バイト教育
など多くのことを他人がやってくれている状態です。
特に個人店はスーパー有名な料理人でないか・唯一無二のコンセプトでなければそんな簡単にお客さんはきてくれません。
なので経営スキルや知識の勉強はかなり重要になってきます!
俺は20歳の頃に自分で店を出すことを決めて動いてたので
すでに経営や集客・PRの勉強を始めていました。
そのおかげでいいスタートダッシュは切れたと思うし
変なPR会社に騙されることもなかったです。
時間のない料理人ですが本を読んだりセミナーに行ったりして経営をきちんと勉強しておいてください!
俺はこの人の本でだいたいのことを学びました。
新人OL、社長になって会社を立て直す (青春新書プレイブックス)
- 作者: 佐藤義典
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2011/08/30
- メディア: 新書
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
面白い物語で本格的な経営が学べます。
とりあえずこれだけでも押さえておいてください!
4.政治家のような対人スキル
オーナーシェフになると世界が変わります。
これは大げさではなく実際にそうで
・お客さんから100%プロとして尊敬される
・組織のトップとして人を雇うことができる
・周りのオーナーや社長と対等の立場になれる(立場だけは)
・自分よりも年上の業者が頭を下げてくる
若くしてお店を出したので余計感じたことでもあります。
特に俺は付き合う人間が変わりました。
やっぱり同じ立場の方が話も合うし、そうゆう出会いもあります。
ここで大事なのが対人スキルです。
オーナーシェフだと人柄でお客さんが来てくれることが多くなりますし
付き合いのある会社や店舗の方が選んでくれることもあります。
極端な話、挨拶回りをしておかないと絶対きてくれない客層が一定数いるのです。
そんなお客さんいらねーよ!って思うでしょう。
俺も最初はそう思ってました。
でもそうゆうところに丁寧に顔を出して覚えてもらってきてくれるお客さんは
先ほど話した『2割』の中に入ってくるのです。
飲食店ではいかに多く『2割のお客さん』を増やすか、が大事なので
まるで自分が政治家にでもなったかのように立ち回ることが必要になってきます。
正直それを身に付けることができるかどうかわかりませんが
意識はしておいてください。
絶対みんな一度は
「俺は政治家じゃないんだけどな・・・」
って悩む日がきます。
5.お店を閉めた時のこと
俺は3年と2ヶ月でお店を閉めました。
やはり体力的、精神的にもキツくて大変だったのと
また何か新しいことがやりたいって思ったことがきっかけで
閉店を決断してから3ヶ月で最終日を迎えました。
常連さんには迷惑をかけたけど今思っても正しい決断だったと思います。
もちろん理想はお店が繁盛し、常連さんに恵まれ、2店舗3店舗とどんどん増やしていって現場から離れることだと思います。(一生現場がいいって人もいるけど)
でも何かしらの理由でお店を閉めなければいけない時はやってくるかもしれません。
その時になって悩んでも遅いので、それを想定してオープンまでにやっておいて欲しいことがあります。
それは自分の経歴をちゃんと作っておくことです!
見習いで飲食の世界に入り、部門シェフ→スーシェフ→シェフ→オーナーシェフなど計画性を持った経歴があると、いざお店を閉めた後に就職活動をしてもいろんなところから声がかかったり面接をしてくれるところがあります。
俺は30歳で閉めたからまだ十分若くてあまり苦労はしませんでしたが
これが40、50になるとそう上手くは行きません。
一番苦労するのは給与面です。
なぜならいきなり新入社員に大金を払う店などないからです。
でもこれがしっかりとした経歴があり、オーナーシェフの仕事ができるのであれば
いきなりスーシェフやもしかしたらシェフになれ、十分な給与を確保できるかもしれません。
俺も見習い→パスタ場チーフ→スーシェフ→シェフ→オーナーシェフと順を追って経験したことでスムーズに転職することができました!
やる前から閉めることを考えるのは不吉ですが
用意しておくに越したことはありません。
いかがでしたか?
これらは実際にオーナーシェフを経験しないと(しかも若い時に)わからないことばかりです。
俺も27歳でオーナーシェフになり、最初はかなり苦労しました。
お客さんには舐められるし
個人店だから仕入れ値は下がらないし。。。
でもやってよかったと思ってます。
俺の経験が将来独立を希望のしている若い人たちに届き
少しでも役に立てば嬉しいです!
ありがとうございました!